久々のブログになります。
ここ数カ月、なんやかんやらと忙しく、ブログ更新する気持の余裕がありませんでした。
でも、そんな事ばかりも言っていられないので、頑張って再開したいと思います。
最近、デイサービス施設の計画をしています。
オーナーが築35年木造平屋の中古住宅を購入し、その建物をデイサービスにリフォームするといった話です。
リフォームで(というか建築で)一番大切な事は、言うまでもなくシェルターとしての機能。雨風や寒さ暑さをしのぐ事。そして当然「地震が来ても壊れない」という安全性も求められます。
今回の建物は雨風はしのげるのですが、寒さ暑さと地震に対しては問題があるようなので、まずそこを念頭において考えました。熱環境に関しては「断熱材を入れる」事で解決できますが、問題は「耐震をどうするか?」です。
一般的な木造建築が地震に強いための条件は、大きく言うと「地盤が良い事」、「基礎が強い事」、「壁が適当な量、バランス良く配置されている事」、「建物が軽い事」などです。
お金をたくさんかければ全て改善する事はできなくはないのですが、それでは解体して新築した方が安いくらいになってしまいますので、「基礎と壁の補強」だけに手を付けるように考えました。
昔からの木造建築は、南側に縁側があり、縁側に面して大きな開口部があります。快適なのですが、耐震的には逆にそこがウイークポイントになってしまいます。かと言って、その開口部の一部を壁にしてしまうと、耐震的には良いのですが、以前より解放感がなくなってしまう。
そこで考えた末、中心に耐震要素を持たせたコア壁を設け、それと北側の壁、そして屋根面の水平耐力を強くすることにしました。
耐震の検討してみましたが、いけそうです。さらにコア壁と南側の解放感による意外な空間。大げさかもしれませんが、ミースのファンズワース邸のような建築になりそうなのです。
自身でも気持ちが高ぶってくるのと同時に、ふと思いました。
「住宅もこの方法でいけるんじゃないか!?」と。
10年ほど前にフランスに行った時、飛行機で隣に座ったフランス人と話をしていて少子化の話になり、「ヒトガスクナクナルノダカラ アラタニイエヲタテルヒツヨウハナクナルネ(フランス語?)」と言われました。
その言葉にハッとさせられた僕は、それ以降常にそれを意識してきました。そして今、少子化の影響はもうすでにいろいろなところに現われています。
日本にはもう、「どんどん稼いでどんどん使う」、家もどんどん建てるような時代は来ないと思います。仮に、またやってきたとしても、物や人やお金、そして時間を大切にし、よく考え、背伸びをしないで自身が心地よい場所をつくる人が増えてくると思います。
つまり、そんな人たちが選ぶ、本物で本格的なリフォームを時代が来ると思うのです。
つまり、そんな人たちが選ぶ、本物で本格的なリフォームを時代が来ると思うのです。
フランスに行った時、もうひとつ誓った事があります。
ル・コルビュジエの建築や、ユトレヒトにあるリートフェルトのシュレーダー邸を訪ねたのですが、イメージしていた尖がった感じは全く感じられず、実際の建築は、何と言ったらよいでしょうか、ホスピタリティ-にあふれていました。どれもです。
ル・コルビュジエの建築や、ユトレヒトにあるリートフェルトのシュレーダー邸を訪ねたのですが、イメージしていた尖がった感じは全く感じられず、実際の建築は、何と言ったらよいでしょうか、ホスピタリティ-にあふれていました。どれもです。
建築で一番大切なのはホスピタリティーです。
ホスピタリティ-とリフォーム。ブログを再開するにあたり、僕が一番大切だと思っている事を書きました。