2020年6月25日木曜日

200625 いい仕事

現在プラン中の物件は、既存建物を解体し建て直すというものです。

既存建物は結構古く、壁のベースは土壁です。








そろそろ解体に入るのですが、先日現地に確認に行ったら、仕上げが一部剥がれ層が分かる部分がありました。

竹の小舞に藁スサノ入った荒塗り、そして上塗り、仕上げは白漆喰さらに黒漆喰が塗られています。

街中なので、最初から黒漆喰を塗るのはどうなもんかとも思います。もしかしたら補修で黒漆喰を塗ったのかもしれません。

いずれにせよ、手の込んだ良い仕事です。

そして何よりも、このまま解体しても全て土に還る気持ち良さがあります。



7月よりレジ袋の規制がさらに厳しくなるそうですね。

今、僕のデスク周りを見回してもプラスチックが溢れていますが、土に還るモノの気持ち良さを、この壁を見て改めて感じました。

(環境にも)いい仕事なわけです。











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2020年6月21日日曜日

200621 これからの住まい

先日のサロンでも話が出たのですが、これからの家は、リモートワークを考慮したプランにしておかなければなりません。

できない事もあるけれど、できる事もあるので、今後は確実に「今日は会社に行かずに家で仕事をする」という働き方が増えてきます。

しかし、いざパソコンとネットが繋がっているからといって、リモートワークをすぐできるというものではありません。

セキュリティーとか効率とかコニュニケーションとか、企業側のインフラ整備に対して、こっち側の準備もあるからです。



僕も、サラリーマン時代も含めて、以前は自宅で仕事をしていたので色々な経験をしました。

建築関係の本を置くスペースが無いとか、リビングで徹夜で(模型作りはなぜかいつも徹夜なのです)を作って、朝方できた模型を満足げに眺めていたら、家の人が起きてきて(模型の材料が散乱したリビングを見て)激怒されたとか、真夜中(同じように起きている建築関係者がいるのです)うるさくないように外に電話をかけに行ったとか。

まあ今となっては古き良き思い出ですが....

その当時はまだ、ネットが今ほど使い勝手が良くなかったので、今だったら「あのケースはこうする事ができるな!」などという事もあります。



話を戻しますが、リモートワークでのこっち側の準備とはなんでしょう。

何と言ってもスペースです。

既存の住宅でリモートワークスペースになりそうな場所を考えてみると、ダイニング、リビング、書斎、廊下、クロゼット、子供部屋などなどです。

どうにかそのスペースを確保しても、いざ始めてみると様々な支障が出てくることに気がつくでしょう。

広いダイニングテーブルで始めたのは良いが、昼食の時間は片付けなければならないとか、そもそも夫婦でリモートならどちらが使うのかとかです。

子供部屋を借りるとかいっても、様々な問題があることは想像できます。



そもそも、家で仕事するにはどれくらいのスペースが必要なのでしょう?

3帖位あれば何とかなるような気がしますが、(最低1500くらいの幅のテーブルの置ける)2帖なのかなと思います。

そのスペースを家の中に確保できるようにしておけば良いのです。

リビング片隅にそういったスペースを考えても良いし、書斎ならもちろんOK、家事室にそういったスペースを確保できるかもしれません、クロゼットにだって廊下の片隅にだって、2帖くらいならなんとかなりそうです。



あと厄介なのは、相手からの見え方を気にしなければならない点です。

少なくとも自然光がそこそこ入って明るいとか、ゴタゴタとしている部分が見えないとか、あとは、本棚が背景なら良いとか、インテリアがセンスあるとか、植物が見えると良いでしょう。

この見え方は、最近のテレビを見ていると結構参考になります。

例えばコメンテーターなら本棚、ママさんタレントなら子供の何か、地方に拠点を移した俳優さんなら窓の外の風景など、バーチャル背景などにしないで自分をアピールしています。



あとはどうでしょう、季節による暑さ寒さ、外からの音、戸建てとマンションでも違いますが、とにかく今までになかった事が始まりつつあるので、今後はその様な生活がよりしやすいアイディアを提案したいと思っています。

でも、リモートワークの真髄は「ただ会社に行かずに仕事ができる」だけではないと思うのです。






次回に続きます。




2020年6月13日土曜日

200613 雨よけ板2

前回からの続きです。



でも、そうは言っても、ダイレクトに面戸板の部分に雨が到達しているのかな?

軒裏を実際に下から見上げながら考えたのですが、本当に真横からでも雨が降らない限りそれは無いのではないか?

何せ軒は3尺も出ているのですから!

色々考え、化粧垂木に付いた雨が風圧で面戸板まで運ばれて来るのではないか?という仮説にたどり着きました。



それなら、垂木に雨水が付かないようにすれば良いのです。

そこで、雨の多い地域の民家に見られるような、雨よけ板的な大きな鼻隠しを取り付ける事にしました。

垂木のせいは3.5寸です。それがスッポリ隠れるのに十分な大きさの5寸の鼻隠しを雨よけ板として取り付けました。

これなら雨を5寸分シャットアウトできるし、もちろん垂木に直接雨が付く事もありません。

これでもまだ同じ事が起きれば、いよいよ高知並みの雨の降りかたという事になります。



大工さんに綺麗に施工してもらいましたし、見た感じも、いつも書いている機能美という意味で、なかなか気に入っています。

果たして、この雨よけ板で今年の梅雨を乗り切れるのでしょうか?

ちょっと大雨が待ち遠しい今日この頃、いや、やはり大雨は降らないに越したことありません。



それにしても、やはり最後は昔ながらの知恵だなと思います。

今回の件に関しても、そういう事を考えない建築関係者だと、「じゃあコーキングしましょう」となると思うのです。

これって、まだ薬もワクチンもないコロナに対する対応に似ています。

人の力ではどうにもならない自然の猛威に対して、根本的な原理をよく考え、技術が発達していなかった頃の知恵から学ぶという事でしょうか。



まあ、今回の対策で大丈夫な確率は80パーセント位だと踏んでいるのですが、果たして結果はいかに?



私のバイブル「住まいの伝統技術」より 各地の雨よけ板 機能美です







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2020年6月12日金曜日

200612 雨よけ板

梅雨入りしました。

コロナも怖いけれど、梅雨の大雨も怖いですね。

ここ数年、この時期には何処かで大きな水害が発生しています。

これだけ続くと、もう「想定外」などと呑気な事を言う人はおらず、政府も含めて誰もが水害の危機を感じています。



ウチで設計する建物は、大きな屋根を基本としているのですが、ここ数年はその意識がより強くなってきました。

そして最近は、巷の軒の出ていない建物を見ると、恐ろしくてしょうがありません。



ところで、事務所の屋根は、化粧野地板表しの3.5寸勾配の片流れです。

急な勾配も片流れも、太陽光発電パネルを載せているので、その効率を優先したためです。

おかげで太陽光発電の効率は想定以上で満足なのですが、屋根を見るたび、金の為に悪魔に魂を売った愚かな自分を悔やんでいました。

そのツケが昨年の大雨の時に現れたのです。

お恥ずかしいのですが、このパターンはダメだという事を知っていただきたいという事で、今回書きます。



事務所の屋根は、化粧野地板表しの3.5寸勾配の北から南への片流れ、軒の出は4方とも3尺、鼻隠しは付いていません。妻側の母屋には化粧で雨よけ板を取り付けてあります。

化粧の面戸板が二重になっていて、間にウレタン系の断熱材が入っています。

実は、昨年の強烈な雨により、北側水上の面戸板部分がから室内に水がしみてきたのです。

3.5寸勾配は約20度ですから、それを超える、ほとんど真横に雨が降ってきた事になります。

そんな事があるのか!とも思いましたが、実際起こっているのですから、あるのです。



三角のが母屋隠し 水上に新しく取り付けた鼻隠し



昔高知の室戸岬の近く、吉良川の古い町並みを訪ねた時、「高知の雨は下から降ってくる」という話を聞きました。

漆喰で塗り固められた何段もの水切りを持つお蔵が並ぶ特徴的な街並みは、よくテレビなどでも紹介されるので、ご存知の方も多いかと思います。

竹富島も、風雨を避ける為に屋根が漆喰で塗り固められていました。



事務所のある山梨県の峡東地方は、風が吹かない地域だと言われています。

古い建物を観察しても、暴風雨を想定した形状になっていないので、それがよく分かります。

しかし、山梨も高知並みになってきたという事でしょう。



次回に続きます。







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2020年6月7日日曜日

200607 比べる

突然ですが、みなさんはビールの銘柄は何が好きですか?

僕は緑の瓶のヤツが好きなのですが、ビールって飲み比べてみると結構味が違うのが解ります。

一番衝撃的だったのは、ジョッキの生ビールよりも瓶ビールの方が美味しい(※個人的な意見です)事です。

それを知って以来、「じゃあ俺、生中!」などと言う飲み会時にあって、僕は一人、「じゃあ俺は中瓶」などと、空気が読めない奴になっています。

でも美味しいのですから仕方ないのです(※個人的な意見です)。



ビールに限らず、ワインとか日本酒でも飲み比べは楽しいものです。

それに食事が加わると、感じ方もまた複雑になり、楽しさが倍増します。

それを大人数で共有すれば、その楽しさはさらに増すのです。

コロナで延期になっていますが、友人を招いて飲み比べしようと富山で買ってきた同一銘柄の純米酒、大吟醸、純米吟醸が今冷蔵庫で出番を待っています。

お酒を飲みながら仲間とともに楽しい時間を過ごせる日々が、早く戻ってくる事を願わずには要られません。



酒飲み話だけで設計事務所のブログを終えるわけにはいきませんので、建築に関係があると思われる?掃除機の話を書きます。

事務所の土間にはいつもハナ子が居て、結構毛が出ます。それを掃除していた掃除機の調子が悪くなってしまったので、以前マ◯タの掃除機に買い替えました。

マ◯タの掃除機は、現場で建具屋さんが掃除に使っているような、ただ吸うだけのものです。

ゴミも簡単に捨てられるし、構造がシンプルなので土間掃除にピッタリで重宝していました。



そして、以前土間で使っていて調子の悪くなった掃除機を、だましだまし土間以外のフロアで使っていたのですが、いよいよその調子が悪くなり買い換えることになったのです。

当初は、マ◯タにしようと思っていました。

充電器も共用できるし、ただ吸うだけの機能に特化したマ◯タは、僕は性格的にも好きなのです。



そうはいっても一応、電気屋さんへ下見に行きます。

マ◯タ同様、もう掃除機はコードレススティックタイプしか考えられないのですが、そこで気に入ったのが日◯のやつです。

衝撃的に軽いのです。

もうこれ以外にない!と心に決め、そうは言っても冷静になるように一旦退却してきました。

そして、家でネットで調べてみます。

「コードレススティックタイプ掃除機」で検索すると、1番の人気はご存知ダ◯ソン、2番目がマ◯タ、日◯は新製品らしく、まだそれほどでもありません。

ダ◯ソンは、僕は性格的に好きなタイプではないので最初から選択肢になかったのですが、ネットを見ていたら、次第に1番人気と2番人気を比べてみたくなりました。

そんなわけで翌日、買ったのはダ◯ソンです。



何度か使ってみて思うのは、「さすが1番人気」と言ったところでしょうか?

長い間の使用で評価も変わってくると思いますし、もしかしたら、土間用とフロア用のを入れ替えるかも知れません。

でも、あの日◯の軽さは衝撃的だったな〜。

スティック掃除機を検討している方がいたら、使い比べした者として御相談にのりますよ。


コロナに負けるな! 収束を願う三兄弟





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231219 気になること

たまに書いている「気になるシリーズ」です。 前からも書いていますが、僕は、建築の設計者として一番(と言うか人として)大切な事は、想像力だと思っています。 若い頃、師匠から「なぜこうなっているのか?、そして自分ならどうするか?常に考えろ!」と言われました。 そのおかげで、建築のみな...