僕は、日本国内は結構訪ねたことがあるのですが、博多は今までありませんでした。
しかし先日、博多を訪ねる機会に恵まれ、ついにあの屋台街を体感することができました。
東京に比べれば、ちょっとのんびりしているけど、街も大きく、食べ物も美味しいし、なかなか良い街で、僕はすっかり博多のファンになってしまいました。
博多に着いたのが13時頃。夜の待ち合わせ時間まではフリーです。
さてどうするか?
ホテルでゆっくりしようとも思ったのですが、建築を生業とする者として流石にそうはいきません。
「博多建築」でググると、太宰府天満宮が出てきました。しかし僕は、博多はなくとも太宰府天満宮は訪ねた事はあったのでパス。
他を探すと「北九州市立美術館」が見つかりました。
九州は、前日亡くなった故磯崎新さんの出身地で、彼の初期の作品がいくつもあります。
僕は、磯崎建築は、関東のものや外国のものは幾つか訪ねた事はあったのですが、九州に建つ初期の磯崎建築を訪ねた事はありませんでした。
博多市内から北九州まで車で1時間以上かかります。どうしよう?
でも、もしかしたら二度と来る事はないかとも思い、ギリギリの時間でも入館できれば良いくらいのつもりで、レンタカーに飛び乗りました。
着いたのは閉館1時間前。
内部空間を体感できれば良いと思っていたのに、ついでに「磯崎新展」も開催中で、建物も含め、充分磯崎新を堪能することができました。
僕が建築の仕事を始める前の建築で、多少古い感じはしないでもないのですが、今まで僕が訪ねた、コルビュジェやライト、アアルトの建築と同様に、そんなものを超えた名建築な感じですね。
若い頃、雑誌「新建築」の月評を毎月の楽しみにしていたのですが、磯崎さんの月評は難解で、読んでも全く意味が解りませんでした。
しかし、それが返って楽しみで、月評を楽しみにしていたのを思い出し、同様に、大変だったけれど楽しかった昔の事務所での事をいろいろ思い出しました。
「でも、今なら理解できるのか?」
ふとそんな思いが頭をよぎり、ミュージアムショップで彼の自著を購入しました。
まだ開いていません。それに、スマホに侵されている今の僕には昔以上に理解できないかもしれません。でもそれがタイムマシーンの扉のような気がして楽しみです。