僕が最近設計した住宅は、外壁に木の板を貼っています。
外壁にを木にすると必ず話に出るのが、「腐る」と「燃える」。そして案外「紫外線」も侮れません。
「燃える」は法律も関係しているので先に書きますと、隣から火事が出た場合にもらい火を防ぐ為、住宅の密集している地域などでは「外壁は燃えない素材を使用しなさい」という建築基準法のきまりがあります。
確かに木が燃えないとは言うつもりはありませんし、法律を犯してまで僕の好みを推し進めるつもりはありません。
そんな場所では下地に燃えない素材を貼り、その上から木を貼ったりしています。
法律を犯してまで僕の好みを推し進めるつもりはないともう一度繰り返し、また住宅の一番の目的は「住み手の安全を確保するシェルター」である、ということを十分理解した上であえて言わせてもらうと。
木は燃える素材でありながら、意外に火が付きにくく燃えにくい素材である。
です。
これは、毎日ペレットストーブに火を着けていて思う事なのですが、大きな木にいきなり火を着けても絶対に燃えません。
よくキャンプで薪に火が着けられないとかいう話を聞きますが、火が燃えるという現象は、「条件がうまく重なって初めて成立する例外は絶対にない現象」、だという事がよく解ります。
木造の住宅の火事になるパターンは2つあって、
1、自分の所から出火し、内部の仕上げを燃やして構造体に火が燃え移り構造体が燃えて倒壊する。
2、前述のように、もらい火による外部からの火による火事
です。
外壁を木にするというのは、2に関係する事なのですが、1も含めて、最終的な住み手の安全を確保する、「燃えるけど燃えきらない」、「肉を切らして骨を絶つ」ような木の使い方ができるのではないかと思います。
ところで、外壁に木使う際に僕が意識しているのは、「雨除けのカバーのような使い方」もしくは「厚く素材感がにじみ出るような使い方」です。
雨除けのカバーのような使い方とはこんな感じ。
以前手がけた民家。腰壁の木はあくまでも雨除け。ダメになったら取り換えるイメージです。
厚く素材感がにじみ出るような使い方とはこんな感じ。
厚板を、この場合は焼いていわゆる「焼杉」にしたのですが、今計画しているプランでは
横長の外壁に、杉の厚板を塗装をせずそのまま横貼りして素材感を出そうと思っています。
いずれの使い方でも、前述の「腐る」、「紫外線」にも対応はできているのですが、これには前回の第4のきまり、大きな屋根が不可欠です。
人は自然の物?だから自然素材がいいのは当然です。そして今まで多くの古い町並みを見てきた経験から、街に対しても自然素材の方が良いに決まっている。というのが僕の結論です。
しかしこれは、防火という観点から都市には当てはまりません。
だから、木の外壁は山梨の理想の家のきまりです。
katadesign.org
2015年3月18日水曜日
240419 新事業
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