前回からの続きです。
レイクパレスホテルでのディナーは、ヨーグルトに浸した本場のタンドリーチキンがメインだったような気がするのですが、あまり覚えていません。
そのご夫婦との話の中で、レイクパレスの湖は、王様が避暑の為にわざわざ造らせたものだと教えてもらいました。
確かに、湖のお陰で涼しい風が吹いて来ましたが、「さすがインドの王様は荒っぽいことをするな!」と思ったものです。
ちなみに、避暑地でない王様の宮殿では、窓に簾がかけてあり、召使いが簾の上から少しずつ水をかけ、気化熱で部屋を涼しくしていたそうです。それも24時間ずっとです。
インドの街には何処でも、物乞いの子供が沢山いました。
「そういえばインドはカースト制度があるんだな、昔の水かけ担当の召使いは、今でも水かけ担当なのかな?」とも思ったものです。
その、簾に水を掛けるインドの王様仕込みの暑さ対策は、ローテクであるがゆえに、万一停電などでエアコンが効かなくなった場合、日本でも結構使えそうです。
ディナーもそろそろ終わりに近づく頃、ご主人がウエイターに会計の指示をしました。
ウエイターが小さな革のファイルに挟まれた伝票を持って来て、ご主人が代金分のお札を挟んで渡します。
ウエイターが、数枚のお札と小銭をお釣りとして持って来たのですが、ご主人は一旦そのお釣りを全部受け取り、その後、伝票の挟んであった革のファイルにお札を一枚挟んでウエイターに返したのです。
なんとスマートなチップの渡し方でしょう!
初めての海外旅行で、僕は、どちらかと言えば催促されて「あっ!ゴメンゴメン」みたいな感じでチップを渡していたのですが、このご主人のスマートなチップの渡し方を見たお陰で、それ以降、日本でも他の国でもチップを渡すのが得意になりました。
レイクパレスでの成果は、王様仕込みの暑さ対策とチップの渡し方を教えてもらったことです。
当時、僕の住所とご夫婦の住所を交換しましたがその後はそれっきりです。今ならFBで繋がったり出来るのでしょうが...
香港は今、大きな変革期に差し掛かっています。
「お金持ちそうだったから、香港を脱出してるかな?」とか、このところの強烈な暑さのお陰で、そのご夫婦の事を思い出しています。