前回からの続きです。
「おいおい、お前の昔話なんか聞いても仕方ないぜ!」という方、前回からの続き、ここからが本編です。お付き合い下さい。
先日、今計画中のクライアントから、「壁紙はあのモデルハウスのあの感じ」なんて話を聞いたので、久しぶりに住宅展示場に潜入?してきました。
お目当の〇〇ハウスの展示棟に行き、お目当の壁紙をチェックしてミッション完了。
せっかくだから、他のメーカーの展示棟も軽く流してきました。
どの展示棟も、今注目されているワークスペースから始まって、広いダイニングキッチン、収納スペース、良い家具、アウトドアスペースなどなど。「これなら僕も欲しい」と思われる良い家ばかりです。
どこも坪数は大きく70坪くらいはあります。坪単価100万円以上はしそうなので、しめて7000万円以上かな?
そんな事を考えつつ、「これは使えそうだな」とか考えつつ一廻りしてきました。
良い家ばかりでしたが、僕にはちょっと物足りない気がしました。そして、その原因は「無垢の木を使っていない事」です。
無垢の木は、割れたり狂ったりするのでクレームの原因になりやすく、それを避けるために使われないのです。
代わりに、突板や木目調のシートで木を表現しています。
木造ではないメーカーもあるし、木造でも僕らが考えている木造とは違う家。
木の素材感を捨て、その引き換えとして得たモノで勝負している家。そんな印象を受けました。
展示場の帰り、打合せの為に建具屋さんに寄りました。
昔からの建具屋さんで、家具なんかも製作しています。
「最近は木建(具)が減ってね〜」なんて社長さんと話をしながら、今計画中の建具と家具の打合せをしてきました。
その建具屋さん、さすがにご自身の作業場や、隣に建っている主屋には良い建具が入っています。
玄関にもヒバの素晴らしい引き違い戸が入っていました。
うまく言えないのですが、「展示場で僕が感じた物足りなさがココにはあるぞ」、そんな感じがしました。
展示場と素晴らしいヒバの玄関戸、偶然同じ日に巡ったのは「意味ある偶然」。「もっと深く考えろ!」というメッセージだと思っています。