2017年9月19日火曜日

170919 簡易計算ルート

僕は、山梨県で行われている住宅省エネルギー技術講習の講師をしています。

2020年までに国が定めた省エネ基準を達成するようにと、施工、設計に分かれ技術講習をするのもで、5年前から始まりました。



断熱性能(日射遮蔽性能と一次エネルギー消費量も含めて)の高い家と言われて、まだピンとこないユーザーの方は多いと思います。

しかし、ピンとこないプロの方がいたら、それはもうアウトです。



家では分かりにくいと思うので、車で例えます。

今まで燃費10km/Lだった車から、30km/Lのエコカーに乗り換えたとします。

毎年平均して2万km走るし、だいたいガソリンの単価は150円/Lだから、などと考えると、年間でどれくらいコストが少なくなるか計算できますよね。

もう家も、それと同じなのです。

家の断熱性能を高めることによって、月に電気代が1万円浮くとすれば、30年間ではいったいどれくらい浮くことになるのでしょう!?



車でも、アメ車みたいなガソリン車で、エンジンを唸らせながら走る喜びがあるように、家でもガンガンエネルギーを使って...なんて思う方がいるかもしれません。

でも、建築より一歩先を行っている自動車に関して言えば、もうヨーロッパでは、全面的に電気自動車にシフトすることが決まっています。

ベンツもBMも全て電気自動車になるのです。

ガソリン車はいずれ、今でのクラシックカーのような立ち位置になるのでしょうね。

そうなると、ガソリンの値段が下がって、中東の産油国が....、



色々好き勝手に考えるのは楽しいのですが、話を戻しましょう。

今まで設計の技術講習では、詳細計算ルートしかなかったものが、今回簡易計算ルートができたのです。

それを山梨で講習するための講師講習会に参加してきたのです。



最後は、おきまりの終了考査



仕様ルートは、決められた仕様にすれば良いというものです。でも荒っぽい分、かなりの安全率を見込んでいます。

それが、簡易、詳細と進むに従ってシビアな数値が出せるのです。

うちでは当然、詳細計算をしています。

詳細計算といっても、難しいものではなく、手間がかかるだけです。中学生でもできます。



断熱性のに関して、当初僕は、「住む喜び」の方が優先されるべきだと思っていました。

しかし今は、断熱性と「住む喜び」を共存させた家を設計しなければいけないと思っています。

断熱性能に普通に取り組んだのでは、ハウスメーカーのような家になってしまいます。

技術基準を十分理解した上で、建てる地域の環境を良く考え(技術基準ではそこまで考慮できない)、今までやってきた知識で柔軟に考えれば、2つを共存させた家ができると思います。



多分、ヨーローッパのメーカーも、「走る喜び」を兼ね備えた電気自動車を出してくることでしょう。

大げさではなく、それと同じことが建築のプロには求められていると思います。






スタジオセミナー(次回は10月14日土曜日)へのご参加、
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250409 座る2

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