2020年までに国が定めた省エネ基準を達成するようにと、施工、設計に分かれ技術講習をするのもで、5年前から始まりました。
断熱性能(日射遮蔽性能と一次エネルギー消費量も含めて)の高い家と言われて、まだピンとこないユーザーの方は多いと思います。
しかし、ピンとこないプロの方がいたら、それはもうアウトです。
家では分かりにくいと思うので、車で例えます。
今まで燃費10km/Lだった車から、30km/Lのエコカーに乗り換えたとします。
毎年平均して2万km走るし、だいたいガソリンの単価は150円/Lだから、などと考えると、年間でどれくらいコストが少なくなるか計算できますよね。
もう家も、それと同じなのです。
家の断熱性能を高めることによって、月に電気代が1万円浮くとすれば、30年間ではいったいどれくらい浮くことになるのでしょう!?
車でも、アメ車みたいなガソリン車で、エンジンを唸らせながら走る喜びがあるように、家でもガンガンエネルギーを使って...なんて思う方がいるかもしれません。
でも、建築より一歩先を行っている自動車に関して言えば、もうヨーロッパでは、全面的に電気自動車にシフトすることが決まっています。
ベンツもBMも全て電気自動車になるのです。
ガソリン車はいずれ、今でのクラシックカーのような立ち位置になるのでしょうね。
そうなると、ガソリンの値段が下がって、中東の産油国が....、
色々好き勝手に考えるのは楽しいのですが、話を戻しましょう。
今まで設計の技術講習では、詳細計算ルートしかなかったものが、今回簡易計算ルートができたのです。
それを山梨で講習するための講師講習会に参加してきたのです。
最後は、おきまりの終了考査 |
仕様ルートは、決められた仕様にすれば良いというものです。でも荒っぽい分、かなりの安全率を見込んでいます。
それが、簡易、詳細と進むに従ってシビアな数値が出せるのです。
うちでは当然、詳細計算をしています。
詳細計算といっても、難しいものではなく、手間がかかるだけです。中学生でもできます。
断熱性のに関して、当初僕は、「住む喜び」の方が優先されるべきだと思っていました。
しかし今は、断熱性と「住む喜び」を共存させた家を設計しなければいけないと思っています。
断熱性能に普通に取り組んだのでは、ハウスメーカーのような家になってしまいます。
技術基準を十分理解した上で、建てる地域の環境を良く考え(技術基準ではそこまで考慮できない)、今までやってきた知識で柔軟に考えれば、2つを共存させた家ができると思います。
多分、ヨーローッパのメーカーも、「走る喜び」を兼ね備えた電気自動車を出してくることでしょう。
大げさではなく、それと同じことが建築のプロには求められていると思います。