新事務所に導入した薪ボイラーは、細かく薪割りしなくても長さ80センチ直径20センチくらいのものまで焼べられます。ですから最初は、薪割をそれほどしなくても良いかと簡単に考えていました。
しかしそれ位だと、1年間の乾燥くらいではよく燃えてくれない事がだんだん判ってきました。木の種類にもよりますが、とにかく2年間乾燥させればよく燃えます。
薪の乾燥が不十分で、水分を蒸発させる為に燃焼エネルギーを多く使ってしまえば、暖房熱までエネルギーがまわらないわけです。
導入した薪ボイラーには電動ブロアが付いているので、風を送れば乾燥しきっていないいない薪も燃えてくれますが、ブロアが必要ない位まで炎の勢いを強めればオーバーパワーだし、かと言ってこの丸太をさらに小さく薪割りして完璧に乾燥させるのはめんどくさいし、大きな丸太のまま程よく乾燥させるには時間が掛かりそうだし。
とまあ色々な条件を考えながら、結局できるだけ乾燥させ、燃えなければブロアで風を送ったり、火の勢いに応じて乾燥具合の異なる薪を使い分けています。
理想を言えば、よく乾燥させるのが最良なのですが、気温や時間に応じて、必要な熱を確保するために、薪の大きさと乾燥、そしてブロアの組合わせを考えて「明日の朝は寒そうだから、夜、火の勢いが強いうちに大きいいけれどまだ乾燥か十分でない薪を焼べれば朝方はいい感じになっているだろう」とか、いろいろ考えて効率よく薪を燃やすのは結構面白いものです。
炎を見ながら、「さすがのAIでもこの作業はできないだろう。ってことは、薪を燃やすってのは結構クリエイティブな行為なんだ!」と考えています。
薪を利用して気がついたのですが、薪を熱源として利用するのであれば、薪を割って屋根のある風通しの良い場所でよく乾燥させる、ということは、実は大気の乾燥を利用した自然エネルギー利用になるのです。よく考えるとこれってすごいことです。木を伐って放っておけばよいのですから。
薪を使う事で、もう一つ気がついた事があります。
それは「薪は石油などの化石燃料に比べてエネルギーが小さい」事です。感覚でしか話ができませんが、薪と石油では、石油の方がエネルギー効率はかなり高い感じがします。
そう考えると、薪燃料だけで重工業を賄うなんてことは到底できなさそうです。また、最近流行りのバイオマス発電は、あまり勧められるものではない事が解ります。
仮に石油が全てストップしてしまい、薪燃焼によるバイオマス発電だけでエネルギーを賄うとするならば、あっという間に日本の森林は無くなってしまうのではないでしょう。
次回に続きます